オンラインだんだんと慣れてきました。今朝のアナ骨には大阪やカナダから参加された方もいて時間と場所の制約を超えるというオンラインの良さが出てきました。スタジオレッスンではなかなか実現できないことです。カナダから稲城まではけっこう距離がありますからね。
さて今日は金曜連載の東大受験物語。前回までの話はこちらです↓
2014年8月、季節はすでに真夏でした。その頃僕はとある水泳のマスターズチームに所属していました。受験を決意した数ヶ月前に「どこか競泳の練習ができる環境がないかな?」と探し当てたチームです。都心近くのいくつかのプールを拠点に練習を行う20代の社会人と大学生が中心となったチームでした。このチームに入ったことがきっかけで、後にフィンスイミングを始めてワールドカップマスターズなどの大会に参加させてもらうことになるのですが、それはまた別の機会に。
ともかくその頃の僕は週一回か二回くらいのペースでそのチームの練習会(1回2時間ほど)に参加していました。都合の良い時に都合の良い人が一回参加費500円を払って参加できるシステムだったので毎回参加者の顔ぶれは少しずつ違います。在籍人数自体はかなり多かったので名前と顔が一致しない人もけっこういました。
そんな中ほぼ毎回練習会に参加している背の高い眼鏡の男がいました。よくよく聞いてみればこのスイミングチームの代表をやっている男でした。名前はN田。当時27歳。なんと僕と同学年でした。大学生がかなりの割合を占めるこのチームでは僕とN田はけっこう年上の部類に入る存在でした。
第二話でも書きましたが他人に宣言をすることで自分を追い込むタイプの僕はやはりこのチームの人たちにも「受験する」ということをある日宣言したのです。するとその場にいたチームメイトの一人が、
「え?じゃあN田さんに色々教えてもらったらいいんじゃないですか?」
というのです。僕が、「えっ?N田って勉強教えられるの?」と聞くと、
「N田さん受験専門の塾講師やってますよ。」
そうなのです。全然知らなかったのですが、同い年のN田はある有名な塾で数学と化学を教えているらしいのです。これはチャンスかもしれない、と思い早速本人に聞いてみます。
僕「ねえ、塾講師やってるならマンツーマンで勉強教えてくれよ。」
N田「いいよ。何をどれくらいの頻度で?」
僕「数学を週一くらいかな。もしかしたらセンター用の化学も必要かも。。」
N田「でもよみうりランドの方は遠いから行けないよ。」
僕「大丈夫。新宿あたりのカフェかなんかでやろう。」
そんな感じですぐにマンツーマンの家庭教師が決まりました。場所は新宿アルタすぐ横にあるルノアールという喫茶店。週一回2時間水曜日に教わることになりました。マンツーマンの指導料の相場がどれくらいかわからないので本人に聞いてみたところ、「1時間あたり4000~6000円くらいかな。」というので一番安い金額に僕の方から設定しました(笑)。
こうして数学のマンツーマンのトレーニングを週一行うことになり、受験勉強を進めるための起爆剤が一つそろいました。水曜日という期限に向けて僕は必死に数学を勉強するようになります。そのスピードは加速しました。受験から逆算してみると、高校3年分の勉強を3ヶ月くらいで終わらせなければならなかったのですが、その期間で終わらせられるのではないかという希望も出て来ました。そして、N田は受験知識のあるプロ塾講師。数学以外の受験情報も聞けるのです。そういった情報は受験素人の僕が受験という荒波を越えるための羅針盤のような存在になりました。
さて、このN田、それから4ヶ月間ほど受験勉強でお世話になるのですが、受験が終わった後もなんだか縁のある男でした。後に僕をフィンスイミングに誘うのは他でもないこのN田でした。さらにワールドカップマスターズに行った時に同じ部屋に泊まったのもN田。そして、、この男にはまだ秘密があったのでした。。
To Be Continued...(毎週金曜日連載)