1. RSYブログ
  2. 東大受験物語
 

RSYブログ

2024/02/10
さよなら大学  
こんにちワライヤドリエビ。今日は朝から「アームバンランス&逆転」のクラス(いつも日曜にやってるやつ)だったので日曜日気分になってしまった勘違い亭Kokiです。土日クラス入れ替えは体内時計にダメージを与えます。

さて、本題ですが、、


一昨日東京大学に退学届を出してきました笑


さよなら学生生活。(ここ最近は休学してましたが。)

ありがとうございました。以上。

・・・ではなくて、ヨガを始めた時にはすでに休学中の身ではありましたので時系列順に説明していくと、

高校中退
しばらく経って高卒認定とる
28歳の年に初の大学受験(東大)※詳しくはブログシリーズ『東大受験物語』参照
無事合格して3年間通学(その間に2人子ども生まれる)
子育てと仕事に集中するため休学する(2年間)
復学しようと思ったらコロナが猛威を振るい水泳の仕事もヨガの仕事もほぼゼロに(ピンチ!)
復学届を取り消して休学届再提出
大学によるコロナ特例措置により休学年月に含まれない休学開始(4年間)※通常の休学は合計4年間までしか認められない
そして2024年3月31日をもって退学へ

ざっくり説明するとこんな感じ。つまりは通学3年+休学(コロナ特例含め)6年で計9年も大学に在籍していたのです。院生でもないのに...どんな浦島太郎。これからは浦島後期を名乗る所存です。(後期教養学部だったしね。)

気づいた方はいるかもしれませんが、実はあと2年は普通に休学できるのです。通常の休学はまだ2年しか消費してないから。なのであと2年待ってから決断するという方法もあるにはありました。

しかし、僕は知っているのです。人間、未消化の事柄を抱えたままでは心身の切れ味が鈍ることを。心のどこかのとっかかりが爆発的なエネルギーを妨げることを。これはみなさんも人生の中で何かしらの経験があるでしょう。

それをスパッと手放した時に心身は軽くなって動きやすくなる。人生ではその身軽さがとても役立つのですね。

あとはもう一つ。優先順位の問題。僕の優先順位は分かりやすく完全に決まってます。第1位は家族との時間。

大学にもう1年通って卒業するとなると、相当な時間が今の仕事にかける時間量にプラスして必要になります。人間にとって時間が一番大切。特に子どもが育つ速度は矢の如し。その1年は大きすぎる。どう考えても天秤が大きく傾くのは子どもとの時間の方にでした。

まあ大学卒業が仕事に役立ち、さらにその仕事が家族のためになるというのなら結論は違いますが。今の状況にとってはそうはならないようです。

しかしながら、、

思い立って大学受験をしたことや、3年だけでも10歳年下の学生たちと大学に通えたことはめちゃくちゃ今の仕事に役立っています。

その辺はRSYオンラインでの筋肉講座や人体講座の様子を見てもらえればわかると思いますし、アーサナ練習の中ですら論理的思考や物事を天秤にかける能力は役立っているのです。

そして何よりも根性。精神力。

競争社会の縮図みたいな受験を受験素人の自分が乗り越えられたことや、在学中仕事しながらもトップの成績でいられたことは胆力をつけるには十分な経験でした。

ということでありがとう、大学生活。

ありがとう、支えてくれた家族。

ここで培った力をもっと駆使して楽しく激しく生きていきたいと思います。

たまに利用したりした学生証よ。さらば笑

ということで報告ブログでした。また次回!!


あ、プロフィール欄の「現役東大休学性」という肩書きを変えないと。。まあ3月31日までにやればいっか...

2020/08/28
東大受験物語 第十七話(最終回)「Y字バランサー誕生」  
こんにちは。今日も暑いですがいかがお過ごしですか?僕は昨日のBTYで全身筋肉痛です。(後屈が多かったので特に背中側。)普段やらない動きばかりありましたからね。かなりの刺激でした。

さて、今日は金曜日恒例の東大受験物語ですが、半年ほど続いたこのシリーズも今日でなんと最終回。思いつきで始めたこの連載、思ったよりも反響があり今日も「毎回楽しみにしています。」というメールを頂きました。ありがたいことです。けっこう長めの文章を飽きずによく読んでくれました。でも今日で終わりです。8月の終わりでなんだか区切りがいい感じ。もう一話くらい引っぱろうかとも思いましたが今日でおしまい。鬼滅の刃もすっぱりと終わりました。(6巻くらいまでしか知らないけど。。)終わりって切ないけど何かの始まりになることも多いのです。

・・・グダグダと言ってないで本編へいきましょうか...!

前回までの話はこちら↓

番外編↓



東大試験の最終日を終えて家に帰った僕はベッドに倒れ込みました。(当時はベッドがありました。)体力を使い切りご飯を食べる気力もなくただただ横たわっていましたが、頭だけがグルグル回っていました。何も考えたくないのに4科目の合計点をあーでもないこーでもないと計算してしまうのです。完全にカフェインの副作用。頭の暴走が止まりません。

半年以上溜め込んできた疲れと自分の意志とは切り離され自動化された思考ループの混合。今までに感じた事のないその異常な感覚の中でそのまま眠りに落ちました。妻が何を言っても起きられません。

そして次の日の朝、ある事に気がつきます。なんと合格発表まで2週間も期間があるのです。今までは受験勉強に必死で合格発表までの時間のことは気にしていませんでした。

(後期試験の勉強、どうしよう。。)

そうなのです。実は東大の前期試験(一番メインの試験、僕が受けたやつ)に加えて後期試験の願書も同時に提出していたのです。後期試験とは前期試験の合格発表の3日後くらいに行われる試験で前期試験に落ちてしまった場合にもう一度受けられる試験です。(もちろん何らかの理由で後期だけ受ける人もいると思います。)ただ試験内容は前期とは全くの別物。合格する人数も100人くらいしかいません。(前期の30分の1)

それでも合格発表までの2週間の間にこの試験の準備をしておけば、もし前期で落ちてしまってももう一度受かるチャンスがあるのです。そして僕は決めました。貴重な時間を無駄にするわけにはいきません。

よし、後期試験の勉強はやめよう!

そう、諦めました(笑)。チャンスがあるのはわかっているのですが、前期の試験が合格しているかどうかわからない宙ぶらりんの状態でどうしても勉強する気にはなれなかったのです。これ以上ないような清々しい態度で妻に宣言しました。

「もう受験勉強やめるよ!」

「別にいいんじゃない。」

決まりました。あとは合格発表を待つだけです。しかし清々しく勉強をやめる宣言をしたものの発表を待っている2週間は心ここにあらずの状態でした。仕事をしていてもなんだか落ち着かないのです。家にいる時も落ち着かないので眠る時間を長くして時を速めようともしました。(長い悪夢を見て失敗に終わりましたが。)

そして2015年3月10日。ついに運命の合格発表の日を迎えます。結果がどちらに転ぶとしても僕の最初で最後の受験生活はこの日で終わり。長いような短いような日々でした。時間内にできることは全てやったので悔いはありませんでしたが、もちろん合格がいいに決まってます。

発表はその日の正午12時。場所はなんと、、

自宅...!!

そう、インターネット発表なのです。なんでも本郷キャンパスの図書館を工事しているとかで例年通りの場所での発表がなくなってしまったのです。掲示板での発表に憧れのあった僕は少し残念でしたが仕方ありません。まあ現地に行く手間と交通費が省けたと考えれば悪くありません。

12時発表ということでしたが、大勢が確認するのでインターネットが混み合うとのこと。11時40分くらいには発表のページを開いてスタンバイすることにしました。(←珍しく計画的)

しかしなんだか落ち着かない。じっと待ってられないのです。気がついたら立った状態で脚を上げるY字バランスのような姿勢をとっていました。当時はヨガのヨの字も知らないのでとにかく不格好。どうしてそんなことをしていたのかは未だにわかりません。ヨガへの序章でしょうか。はたまたY字で人生の岐路を表していたのでしょうか。いずれにしても時は少しずつ確実に進んで行きます。

そして11時55分。発表5分前。我慢できずに合格番号が載っているページへのリンクをクリックすると、、

なぜかページが開きました...!時間前なのに...!

たくさん番号が載っています!

ドキドキしながらも番号を探します。社会人受験だったせいか僕の受験番号は大多数の受験番号とは頭の方の番号が違います。目立つ番号なのです。簡単に見つかって(or見つからない)しまうのがなんだか怖くなって、昔「リング」というホラー映画を古い公民館で観た時のように目を細めながら探しました。

そして、、

あった!!!!!!

自分の番号がありました!

でも見間違いかもしれないので何度も確認しました。どうやら間違いじゃなさそう。嬉しいというよりはなんだか安心したという感じ。受かって良かったというより、落ちなくて良かったという気持ちの方が強かったです。受験は心臓に悪いですね。

そしてその後、妻の職場にも直接結果を伝えに行き、その道中で親に電話で報告。世話になったN田やK君にも連絡しました。妻が喜んでくれたのも嬉しかったですが、N田が珍しく褒めてくれたのが印象的でした。


ふとした決意。周りの協力。怒濤のような時間。学びの楽しさと厳しさ。思考力、集中力、持久力。冷や汗。カフェイン。。

受験勉強を通して色々なことを濃い密度で経験できました。この時期の経験は確実に今に生きています。改めて協力してくれた妻や家族には感謝します。

そして合格できてよかった・・・

新たな人生の予感。



さて、東大受験物語は今回の話をもって終わりです。

最終回まで読んでいただきありがとうございました。


しかし、

この物語にはまだ先があります。

この後28歳で東大の新一年生になった男がどんな生活を送るのか。。


そして、、

来週からは、

新連載『東大生活物語』!!

まだまだ物語は続いていきます(笑)



To Be Continued...(毎週金曜日連載)

2020/08/21
東大受験物語 第十六話「完全燃焼」  
こんにちは。もう金曜日。そしてもう8月も後半ですね。僕はこの時期から9月末くらいまでの時の速さに心がセンチメンタルになります。9月中旬あたりに外プールに入った時に森山直太朗の「夏の終わり」が流れ出した時なんかは涙が出そうになります。(出たことはありませんが。)まあ今年は外プールに行くこともなさそうですが。。それくらい夏から秋にかけての季節の移ろいはダイナミックかつ儚いものです。

僕の東大受験もそうでした。受験にかけた時間が短かったこともあって、その中で多量のエネルギーを生み出し爆発させ、その後収束に向かいます。夏休みみたいなものなんですね。そもそも受験した目的というのも今ある自分のエネルギーを増幅させて何かにぶつけてみたかったというのが一番。手の込んだ自由研究みたいなものです。そういえば小学校の自由研究で「妖怪巻物」を作ったことがありましたが、あの時もエネルギーを注ぎ込んで小学生にしては見事な作品が出来上がりました。(自画自賛…⁈)受験もそれに似たような感じですね。

さて、東大受験物語もあとわずかです。

前回の話↓



数学の答案用紙をほぼ白紙で提出するというほぼ予想通りの結果で東大本試験初日を終え、いよいよ2日目、受験最終日です。

ところで受験期間が短く東大一本だけに絞っていたので当然滑り止めなどは志願していませんでした。なのでこの2日間が最初で最後の試験日でした。もし仮に落ちたとしても来年もう一度受けようなどとは考えていませんでした。羽化した後のセミのようにほんの一瞬だけで全てを出し尽くそうとしていたのです。

セミの話はさて置き、舞台は冬です。2日目の天気はというと朝の時点で雨こそ降っていませんでしたが前日よりも雲が厚く怪しい雰囲気でした。若干の低気圧。初日と同様ブラックの缶コーヒーを買って駒場キャンパスに向かいました。

試験会場は前日と同じ。2日通うと古い木の床や机にも愛着が湧きます。新しい建物にはない独特の匂いが鼻を刺します。

そしてまた開始30分前のカフェイン摂取。ギリギリまで参考書に目を走らせます。一科目は日本史と世界史。ほぼ全て論述問題なので少しでも頭に材料が多い方がいいのです。特に世界史は時代の流れ、世界の動きをどう読むかの着眼点が大事になります。

そして試験開始。150分120点満点の問題です。日本史と世界史はまあまあでした。「この時代が
出たかぁ。。」という所はありましたが、それは過去問などと一緒。完璧ではないものの自分なりにストーリーを組み立てて記述できました。終わった後の手応えとしては70点くらいはとれたかなという感じ。可もなく不可もなく終われました。

そしてお昼休憩をはさんで最終科目の外国語。過去問でも一番点数を稼げてた所だったので楽観視していました。油断してはいけないとわかっていたのですが歴史を終えてなんとなく気を抜いていました。

試験開始後、全ての問題に目を通さず一問目から丁寧に時間をかけて解き始めました。というのも過去問ではだいぶ時間に余裕があったのでミスのないようにゆっくりスタートしたのです。しかし2問目に進むと、

(あれ??どうした…?)

(あれ…もしかして難しくなってる…⁇)

そうなのです。例年に比べて明らかに文章の内容が難しいのです。ただ読むのだけで時間がかかります。

急に冷や汗(脂汗?)がブワッと全身の毛穴から吹き出ました。自信があった科目だけにここで点数を取れないと数学の白紙が埋められないのです。

必死に頭を回転させて途中から一気にペースを上げました。悩んでるヒマはありません。最初で最後の受験の最後のテストだけ頑張ればいいのです。

最初は丁寧に書いていた字も途中からは乱雑になりました。序盤で字の綺麗さなど求めていた自分に腹が立ちました。タチの悪いことに丁寧に書いたところで僕の字はたいして綺麗じゃないのです。

(油断したな。。でもそんなこと言ってられない。「今」に集中しなきゃ…!)

初めてのマインドフルネス。ヨガを知らないとか言ってられません。超絶にヒマだった前日の数学から一転、めちゃくちゃ忙しい時間を過ごしました。鉛筆を握る手の内在筋も外在筋もどんどん疲労します。そこはカフェインパワー。

そしてついに試験終了の合図。なんとかギリギリで問題を解き終わりました。

解放。。七ヶ月間お疲れ様でした。悔いはありません(嘘)。

試験が終わった後はすぐに帰れるわけではなくて教室で待機。整理退場となります。(駅での混雑を避けるために教室毎に帰れる時間が異なるのです。広い会場のコンサートなどで行われるやつと一緒です。「アリーナ席Aブロックご退場ください。」みたいな。)

僕がいた教室はだいぶ後半の退出だったようで試験終了から40分以上もそのまま机で待機してました。その間に外がどんどん暗くなりゴロゴロと雷が鳴り始めました。強まる低気圧と全てを出し切った疲労感でカフェイン作用が残っているにもかかわらず教室の机で眠ってしまいました。

死んだように眠ったので退出の時を知らせる試験官の声で目覚めた時には机がヨダレだらけになっていました。。

(まだ入れるとも決まっていない教室でごめんなさい。でも春にはここに戻ってきてちゃんと除菌するよ。)

袖で拭ったヨダレの跡地に心の中でそう呟いて僕はその教室を後にしました。

アナ骨で脂肪を燃やすよりもはるかに高い燃焼率で心身の全てを燃やし尽くした日でした。


To Be Continued...(毎週金曜日連載)

2020/08/14
東大受験物語 第十五話「ヒマな時間」  
時の流れ速くないですか?気がついたらもうお盆。夏も中盤です。そうこう言ってるうちに秋が来て冬が来て年末を迎えてしまいそうです。一瞬一瞬を大切に過ごしたいものですね。

時間の感覚は人によって違うし人生何に打ち込むかも人によって違うけれど悔いなく一瞬一瞬を過ごすためにはやはりバイタリティが必要。僕ももっともっと元気がほしいです。やりたいことに集中する元気。「元気があればなんでもできる by A.I」という言葉は非常に的確ですね。本当にそこにつきます。元気があれば自分のやるべき事もみつかるし自然にそこに打ち込める。僕も「元気」を増やす努力はコツコツと続けています。みなさんも継続して続けてみてください。

今日は金曜恒例の受験の話。本番の試験スタートです。試験って緊張しますよね。基本緊張しますがその緊張に飲まれてしまう人もいれば緊張を味方につけられる人もいます。その違いはなんでしょうね?実は訓練次第で大事な場面でパフォーマンスを発揮できるようになります。その秘訣はヨガクラスで(笑)。

今回は「時の流れが速くなかった」話です。

前回の話↓



東大二次試験(本試験)初日。国語の試験が開始しました。制限時間は150分ありセンターよりもだいぶ長いのです。しかしこの150分という時間、試験を受ける側からすると非常に短いのです。だいたいの場合時間が足りない。本当は4時間ほしいくらいです。

国語は現代文の文章が2つ、古文と漢文の文章がそれぞれ1つずつ並んでいて、全部で4つの部分から成り立っています。それぞれのセクションにはだいた5問くらいの問題が用意されています。4つの大問があるというのだから単純計算150÷4で、それぞれ40分に満たない時間しかかけられません。なので150分という制限時間はやはり短いのです。

ただ問題の形式自体は毎年一緒でだいたいどの問題も「傍線部アとはどういうことか。説明せよ。」といった感じです。ほとんど問題文は読む必要がないくらいです。(読みますが。)正直現代文に関しては日本語が母語であるのでただ話を読んで理解すればいいだけなのです。2問あるうちの1問はけっこうガチガチの論理的な文章、もう1問はけっこうくだけた文章。年にもよりますがそんな傾向があるようです。

あんまり堅い話やくだけ過ぎた話でもやりづらいなと思っていましたが、この年の話は割とバランスが良かったように思います。僕にとってはまあまあ読みやすい文章スタイルで、そんなに焦ることなくできました。(2つ目の現代文は「猫」の話で動物がけっこう好きな僕にとってはイメージしやすく読みやすい話でした。)

問題は古文と漢文です。これらは現代文と違い「外国語」と言っていい区分だと思います。普段使いこなしている言語とは全然違うので話の筋を大きく読み違えてしまう可能性があるのです。過去問でも何度か痛い読み違いをしてしまったこともありました。なので時間配分を気にして急ぎつつも正確に慎重に読まなくてはいけないのです。

ただこの古文と漢文も例年に比べて特別難しくなっているわけではなく冷静に取り組むことができました。もちろん完璧に細かい所まではわからないけれど話の筋は理解できました。そう、東大の本試験は半分以上の点数をとればだいたい合格できるのです。国語は120点満点だったので60点以上あれば上出来。ただ僕の場合は数学に不安があるので国語で70〜80点くらいはほしいところでした。

そんなこんなで150分の時間をフルに使いながらも一応全ての問題に手をつけることができました。東大試験1科目目はまあ満足できる出来。良いスタートが切れました。カフェインは身体に負荷をかけながらも効き目を保ってくれています。

そして昼食後の14時からは数学の試験。僕は文系受験だったので数学の問題数は理系の人よりも少なく制限時間も100分と短め。80点満点の問題です。

開始時間になり問題を最初から最後までザッと眺めます。出来そうな問題を探すためです。すると一番最初の問題がどうにも簡単そうでした。

(これなら自分にも解けるかも。。)

手をつけてみると確かに理解できます。計算の手も進みます。20分くらいかけてその一問が終わりました。答えが合っている自信もありました。

(なんだ、意外にいけるかも。)

調子に乗って2問目以降も張り切って解こうとします。

(あれ...?)

(う〜ん。。)

(何言ってるかわかんねえや...)

そう、2問目以降はよくわかりませんでした(笑)。その問題が難しいかどうかも僕には判断できませんでした。数学ぼ勉強をほとんどしなかった結果がここに出ました。当然ですね。

普通だったら途中式などまで書いて1点でも多くもらえる努力をするのでしょうが、半端にそんなことをしても仕方がないと思いました。別に自分のプライドがそうさせた訳ではなく、半端に途中式を書いても1点ももらえないなと思ったからです。採点するのは絶対に頭の切れる人間なので僕が問題を理解しているかどうかは一発で見抜かれてしまいます。

そうなるともはやそれ以上することが無くなってしまいました。残り80分ほどの時間を残して。

することがないので体力回復のために眠ってしまおうと思いましたが、慣れないカフェインを摂っていたので全く眠れる気配がありません。よって起きているしか選択肢がないのですが、見直しする問題もありません。

苦痛な時間が始まりました。。

あまりキョロキョロ周りを観察してもカンニングを疑われてしまうので迂闊に目線や身体を動かせません。なので鉛筆をクルクル回してみたり頭を抱えて悩んでるふりをしてみたり、色々と試行錯誤を繰り返しながら時を過ごしました。国語の時には150分が一瞬で過ぎてしまって足りないくらいだったのに、やることがないとなると5分が永遠に感じられます。本当は翌日の世界史の参考書でも開きたかったのですがもちろんそんなことはできません。

とにかくヒマな時間を耐え忍びました。周りの受験生は一生懸命手を動かしています。僕は自分の手相を眺めたりします。手相を見ても占えないことに気づくと、

(周りの高校生もよく頑張ってるなぁ。一人でも多く合格するといいなぁ。あ、合格人数は変わらないのか。)

などとどうでもいいことを考えたり。ともかく色んな手を使って時間を潰そうとしてました。もし当時ヨガの心得があったなら瞑想かプラーナヤーマをして一瞬で時が過ぎ去ったことでしょう。しかしその時はヨガのYの字も知りませんでした。

そしてやっと長い長い100分の数学試験が終わりました。

一問目が出来たと感じた分満足感はありました。その一問がパーフェクトだったとして80点満点中の10点しかもらえませんが元々0点でも仕方がないかなと思っていた数学、その一問があっただけでラッキーでした。

初日の2科目が終わり帰宅。カフェインも切れどっと疲れが出ましたがもう一踏ん張り。もう一日だけ試験があります。翌日は歴史(日本史・世界史)と外国語。

帰ってからも参考書を開き翌日の試験に備えました。


To Be Continued...(毎週金曜日連載)

2020/08/07
東大受験物語 第十四話「黒い液体」  
暑い。暑すぎる。。今日は気温が36度くらいまで上がるそうですね。一週間前の金曜日とはえらい違いです。夏到来です。

家の前にミニプールを出して子ども達は水浴び。涼しそうです。僕も裸で水浴びでもしたい気分ですが通報されて終わりなので我慢します。

さて、今日は東大受験物語。猛暑日に寒い冬の話の続きです。

前回の話はこちら↓



センター試験から東大本試験までの約1ヶ月、数学に関しては手を出したりやめてみたりと迷走はしましたが、他の科目に関してはやるべきことを見極めつつ淡々と進めていきました。東大の過去問は難しいけれど考えさせられる問題が多く勉強自体がだんだんおもしろくなってきました。しかしながら睡眠時間を削ったりと自分の体力以上の容量をこなしているので純粋に勉学を楽しむというわけにはなかなかいきませんでした。制限時間がありますからね。

受験直前には仕事を全て休み勉強だけに専念。時折必要な参考書を買い足しては知識と思考力を増やします。なんでもそうですが一つのジャンルのものを学びたい時には一冊の本だけを読むのではなくて何冊かの本を読んだ方が良いのだと思います。どんな分野に関しても必ず主流とは真逆の仮説があったりしますからね。色々な可能性を踏まえた方がより深く思考できます。特に日本史と世界史はおもしろかったです。著者によって全然主張が違います。ただでさえ失われている文書や記録の方が多いのにそこに様々な解釈が入りますから違っていて当然です。まあ受験勉強で時間に限りがあるのでなかなか歴史だけに時間を割くのは出来ませんでしたが、この時期の興味が今の興味にも繋がっているのだと思います。

過去問の採点は模範解答を見ながら自分で行ったり家庭教師のK君がいる時にはK君にやってもらったりしていました。しかしこのK君、東大試験直前になって実家のある静岡に突然帰ってしまいます。聞いた話によると大学サークルのいざこざ(?)で少し精神的にやられてしまい実家のほうで心を落ち着かせているとのことでした。

(東大生も色々あるんだな。K君繊細そうだしな。。)

なんて思いながら勉強を見てくれる人がいなくなってしまったのを少し心細く思いつつも独りで勉強していました。ちなみに数学を教えてくれていたN田との新宿ルノアール勉強は年末くらいで終わっていました。当初予定していた高校教科書の内容が全部終わったからです。「示して」という言葉から解放された僕は結局数学をやったりやらなかったり半端な形になってしまったわけですがまあそれはそれで良かったのでしょう。

そしてセンターからの1ヶ月が過ぎるのは予想通りあっという間。2月25日の試験当日を迎えます。センター試験と違ってこちらは水木の平日開催なのですね。(どうでもいい話ですが。)試験会場は東大駒場キャンパス。確か理系受験が本郷だった気がします。僕は京王線沿線に住んでいるので井の頭線で行ける駒場が会場だったのはラッキーでした。

受験票を見てみると僕が試験を行うのは1号館の教室でした。1号館というのは正門から正面に見えるデカい古い建物です。一番わかりやすい所ですね。その中の古い教室が僕の試験会場でした。多くても30人が入れる程度でしょうか。あとで聞いた話によると300人規模くらいの大講堂で受験した人も多かったようでそちらの方がリスニング問題なんかは大変だったようです。僕は小さい教室でここでも幸運に恵まれました。特に体質的に人のエネルギーを感じやすいのであんまりたくさんの人がいると雰囲気に飲まれてしまう可能性があります。

身の回りの条件はなかなか悪くありません。木の床でできた古い教室もけっこう好みです。しかしながら僕の身体の調子はというと、、どん底でした。なぜかというと、勉強のし過ぎです。慢性的な睡眠不足です。特にこの1ヶ月はかなり追い込んだやり方をしていたので疲労度MAXです。本来受験というのはもう少し時間をかけるものなのでしょう。半年ちょっとで全てをやろうとしたツケが受験当日に極度の疲労という形で出ていました。頭が働きません。

(やはりあれに頼るしかないか。。)

こんなことになることはわかっていたので来る途中のコンビニでブラックのコーヒーを買っていました。前にも書いた通り敏感体質の僕にとってはカフェインはかなり危険。その後の体調を著しく落とします。しかしながら摂取してから数時間、頭は回転します。諸刃の剣ですね。疲労困憊の頭を無理矢理回転させるために試験開始の30分前くらいに缶の半分くらい飲みます。普段飲んでいないというのもあり若干気持ち悪くなりました。ブラックというのも刺激が強いですね。しかし牛乳入りは乳糖不耐で飲めないし、糖分入りは疲労に拍車をかけるのでブラックという選択肢しかありません。

15分くらいすると心臓がドクドク高鳴ってくるのがわかります。カフェイン効果バッチリ。無理矢理エンジン全開です。手が多少震えるという副作用は出ますが字を書くのには困らない程度です。

さて時刻は9時30分。一科目目の国語、2時間半に渡る試験の開始です。(試験時間長いな...!)


To Be Continued...(毎週金曜日連載)

2020/07/31
東大受験物語 番外編その3「役にたった栄養So!」  
今日は幼稚園の最終日でした。明日から夏休み。3週間ちょっとの短い休みです。夏休みの期間については自治体によってけっこうばらつきがあるようですね。

ところで今日長男は幼稚園からカブトムシの幼虫を2匹もらってきました。迎えに行った僕が幼虫のお腹をチェックして一応オスとメスを選んだのですが、まだ少し小さめだったので判断が難しいところ。それはともかく家の土は切らしていたので急いでホームセンターに育成マットを買いに行ってきました。大きく育つといいです。

さて、今日の東大受験物語は久々の番外編。受験期に役立った栄養素についてです。もちろん受験勉強以外の日々の作業に役立つものではありますが、これは僕の体感の話であるのでほんの参考程度に。体質によっては全然効かないものもあると思います。

前回の話はこちら↓



体力的にも精神的にもかなりきつい受験期に人体実験してみた栄養素の中で良い感触があったものだけを紹介します。

1.「活性型ビタミンB群」

ビタミンB群自体がエネルギー回路を回したり神経の働きを整えたりと脳機能や身体機能を正常に働かせるのに必要不可欠なもの。ただビタミンB群は口から摂取した後に体内で働ける形に変換される必要があります。「活性型」ビタミンB群は最初から体内で利用できる形に調整してあります。なので無駄なく利用される。

体感としても通常のビタミンB群よりパワフルで疲れにくくなったり集中力の持続時間が長くなります。ただ通常のB群のなん何倍もの値段がするのが難。。メーカーによっても効果にばらつきありです。

2.「クラスターデキストリン」

これは糖分の一種です。勉強をたくさんしている頭と身体が疲弊します。そしてエネルギー源として甘い物がほしくなります。ここで甘い物を摂ってしまうとたいていの人はアウト。一時的に気分や集中力が上がってもすぐに眠気や疲労やイライラが訪れます。(めちゃくちゃ体が丈夫な人は何食べても大丈夫かもしれません。)僕は特に糖分に敏感なので摂取する炭水化物の種類が甘いお菓子だろうが白いご飯だろうが、その後眠気と闘わなければなりません。

それを解決したのがクラスターデキストリン(CD)。高分子の糖質です。ブドウ糖はもちろんのことマルトデキストリン(MD)でも血糖値スパイクを感じてしまう僕ですが、クラスターデキストリンはエネルギーが本当に長く持続します。(お米は胃に留まる時間が長過ぎる。)胃にも全く負担がかかりません。糖質のやっかいな性質をパーフェクトに解決してくれた栄養素だと思います。勉強だけじゃなくて運動時にも良いですね。MDの2倍以上の値段はしますがその価値のある商品だと思います。(←回し者...?)

飲み物に溶かして自作のスポーツドリンクを作るのにオススメです。

3.「クレアチン」

言わずと知れた瞬発系栄養素。体内ではクレアチンリン酸という形で貯蔵されます。詳しい説明は省きますがATP-CP系というエネルギー回路を活発にしてATPの再合成を促します。その結果瞬発力が上がります。爆発力が必要なスポーツをやっている方や筋トレでボディメイクをしている多くの方が摂取しているものですが僕の場合は勉強にも役立ちました。

頭に効くというよりは筋肉に作用し身体全体の生命力を上げるといった感覚ですがとにかくエネルギッシュになります。しかしながらクレアチンの効果は人によって著しく変わるのでみなさんに効果があるかどうかはわかりません。僕の場合は抜群に効いたのですが、その要因としては、
1.体内でのクレアチン合成が元々苦手(クレアチンを十分に合成している方はクレアチンを摂取してもあまり効果なし。)
2.速筋体質(遅筋タイプの人はクレアチンの効果も少ないかもしれません。)

運動、勉強、日常生活、シーンを問わず効く人には効く栄養素です。


上記の他にもオメガ3脂肪酸やホスファチジルセリンなどかなり効果のあるものもありましたが体感が緩やかなためここでは省略します。食べ物にしろサプリメントにしろ体質に合うものだったらそれだけで自分のパフォーマンスを相当上げることができます。

ただ期待のし過ぎ禁物ですね。どちらにしろホメオスタシスが働きますので。それより日常で使えるのは呼吸法や調気法でしょうか。あとは心理テクニックなんかも使えます。

来週は再び本編に戻ります。



To Be Continued...(毎週金曜日連載)

2020/07/24
東大受験物語 第十三話「ループ」  
今日はアナ骨アドバンス指導者養成講座の1日目の座学がオンラインでありました。アナ骨に生理学の光を当てる新しい試み。勉強になりました。明日はスタジオでのアーサナ実践練習。楽しみです。(同時にアナ骨のアーサナ練習に耐えられるか若干の不安があります。)

今日のブログはと言えば毎週恒例の連載コーナー。東大受験物語です。同じ金曜日とはいえ今日は祝日、みなさんの曜日感覚もいつもとは違うかもしれませんね。ところでこのホームページにも少し前から検索機能を追加したので、目次の「サイト内検索」という所(虫メガネマークのある場所)から「東大受験物語」などと入力すると過去の記事が簡単に検索できますよ。アーサナ検索などにもお役立てください。

前回の話はこちら↓



センター試験の2日間が終わり少しホッとした気持ちはありました。数学ⅡBはボロボロだったものの、それは受験生全体に言えることなので特に気にしなくていいところでした。他の科目はすごく大きな失敗もなく自己採点ではだいたい予想通りの点数が取れていました。しかしながらマークシートを全部一個ずつずらして記入でもしてしまえば一発アウトなので発表までは何があるかわかりません。ただ東大の足切り発表がセンターが終わってから足切りの発表まで3週間くらいあるので考えていても仕方ないのです。そもそもセンターが終わった時点ではまだ東大を受験するという願書も出していないのでした。

とりあえずセンターの結果はまあまあ大丈夫そうだったので予定していた通り文科三類(以下「文三」)で受験する事にきめました。文系の中の足切り点は近年文三が一番高いようで、安全策をとりたいのであれば文一(法学部に進む人の多い科)あたりに出願するという手もありました。しかし足切りをギリギリで通過するくらいだとどちらにしろ本試験突破は難しいという話を聞いたので、足切りの点数の高い低いは気にしないことにしました。(どちらにしろ本試験を含めた最終的な合格点は文三でも文一でもあまり変わらないようです。)

大事なのはいかに素早くセンターから頭を切替えて本試験の勉強に本腰を入れられるかでした。ありがたい(?)ことに僕の場合はほとんど東大試験の勉強が出来ていなかったので目の前にある山積みの参考書に取り組まなければなりませんでした。(そういえば受験が終わった後に参考書を整理していたら150冊くらいありました...!)やるかやらないか悩んでいるヒマもなかったのが逆によかったのかもしれません。センターのことは忘れ去り新たな目標に向かうことができました。

東大本試験の勉強がセンター試験の勉強よりもやりやすかった点は科目数が少ないこと。国語(現代文、古文、漢文)、外国語、社会(日本史、世界史)、数学(数学ⅠⅡAB)だけで済みます。センターのように化学や地学にまで手を回さなくていいのは助かりました。(とはいえ十分過ぎる量でしたが,,,)

この時期に一番やったのはやはり過去問。同じ過去問でも「赤本」とか「青本」というものがあり出版している会社が違うようです。同じ年度の同じ国語の問題を見比べてみても本によってその解答例や解説が全く違います。「なるほどな」と思う解説から「これは違うだろ,,,」と思うものまで様々なので、一つの本だけを信じない方が良さそうでした。なので赤本も青本も購入して、両方を見比べながら勉強を進めて行くことにしました。

過去問をやってみてわかったのは東大の試験問題はかなり面白いということ。センターの問題とは全く違います。例えば日本史でいえば、その出来事の年号などは正確に覚えてなくても大丈夫なんですね。たいてい問題文の資料に必要な情報が与えられています。必要なのは思考力や全体の流れを「診る」力。歴史をどう捉えるか、そしてその出来事がもたらすものは何であるのか、といったようなところ。受験勉強においても無駄な数字の暗記はしなくて済み、その分思考力を鍛えられたのでとても有意義でした。

意外と難しかったのは現代文。設問としては毎年全く変わらず「(傍線部ア)とはどういうことか、説明せよ。」という問題が数問出るだけなのですが、シンプルなだけにこれがまた難しい。。ハマる問題はそれなりに出来るのですが、たまに全く何を言ってるのかわからない話などがあったりして大変でした。古文や漢文も最初の内は話の大筋を読み間違えることも多々ありました。

しかし過去問をいくつも解いているうちに力はついていくものです。怪しい分野が出て来たら他の参考書やネットなどを使って調べる。とことんやるとだんだんと自分の問題も絞れてきます。

一番困ったのはここでもやはり数学。過去問を開いてみると「??」という感じのものばかりでした。問題の意図すらつかめません。やはり教科書を終わらせた程度だときつい。N田に相談してみると「今の時期に時間のかかる過去問を無理矢理やるよりは今までやっていた『良問プラチカ』を何周か繰り返した方がいいのではないか」ということ。時間的コスパの悪い過去問は諦めました。プラチカに絞ることに。

ただ数学に関してあともう一つ頭にあった選択肢は「勉強を全くしない」ということ。半端に時間を割いても点数をとれないのであれば、他の科目に勉強時間を割いて数学は0点になってもいいのではないかという考え。実際試験の配点としては440満点中、国語120点、社会120点、外国語120点、数学80点となっており、数学だけ比重が軽いのです。東大の試験の合格ラインが例年だいたい50%くらい(220点くらい)ということを考えると数学が0点だっとしても他の3科目で3分の2の点をとれば80点×3で240点がとれてしまうのです。めちゃくちゃザックリとした計算ですが、それでいけるのではないかと考えていました。

ただ結局この数学切り捨て作戦は受験ギリギリまで半端な感じになってしまいます。以下の手順です(笑)

1.妻に「数学の勉強はもうしない!」宣言

2.「やっぱり少しでもした方がいいんじゃないか」とビビる心が出てきて過去問開く

3.難しくて時間がかかるので数学を切り捨てたい気持ちがまた芽生える

4. 1へ戻る

こんな感じのループにハマってしまい数学の勉強は結局どっちつかずになってしまいました。

そんなこんなで気づくと2週間過ぎ、3週間過ぎあっという間に本試験に近づいてきました。日の出の時間も遅い季節、朝の暗さと寒さで起きるのも大変になってきます。

本当に受験は体力勝負。というか世の中だいたい体力勝負。

そんなことを痛感した2015年の冬の日々でした。



To Be Continued...(毎週金曜日連載)


2020/07/17
東大受験物語 第十二話「冷や汗パラダイス」  
だいぶコロナ感染者数増えてきましたね。未だに先の見えない世の中です。(先の見える世の中なんてないかもしれませんが。。)みなさんも体調にはお気をつけください。今出来る目の前のことを淡々とやっていくことが大事だと思います。

さて、もう1週間が経ちました。(毎回こんなことを言ってます。)気づけば今年も半分以上がとっくに過ぎています。東大受験物語など書いていますが、僕が復学できるタイミングはこの先あるのでしょうか。まあなるようになりますので心配はしてないですが。受験期の物語もそろそろ終わりに近づいていますね。

前回の話はこちら↓



センター試験1日目は手の震えがあったものの手応えはありました。家で解いていた過去問くらいの出来は最低でも確保できたんじゃないかな、という感触でした。

(これなら受験なんて余裕かも。)

前日の手の震えで焦ったことなどどこ吹く風、2日目の朝にはもうそんなことを考えていました。僕は基本的に浅はかなのです。そしてそんな気持ちはその数時間後には打ち砕かれることになるのです。

初日を経験していたので2日目は会場までの道順も大学構内の環境も慣れたものでした。そして始まる試験。最初は理科2科目、化学基礎と地学基礎でした。僕は文系科目での受験のため理系科目の配点は低く、この2科目合わせてMAX100点となります。それでも油断はできないところではあるので勉強期間は短いもののしっかりと勉強してきました。

まずは化学基礎。問題を解いているとあることに気づきます。

(あれ、めちゃくちゃ簡単だぞ...?)

不安になるほど簡単でした。そしてこれは僕の学力が上がったからではなく問題自体が例年に比べかなり簡単になっているのでした。見直しをする時間もたっぷりあって満点は確実です。

そして次の地学基礎。これは理系の科目の中でも興味のある分野だったので自信はありました。しかし試験問題を眺めてみると過去問より難しい。。僕自身が勉強不足で曖昧になっていた箇所もありましたが、問題のレベルが明らかに例年より高くなっています。変な汗をかきました。それでもボロボロで全部できなかったというわけではないのでなんとか精神的にも持ちこたえられました。化学と合わせてプラマイゼロかな、という感じです。

このように試験問題のレベルというのは毎年変わってくるようなのです。「難化」、「易化」という表現をするようです。化学は例年に比べ易化、地学は明らかに難化していました。

(やっぱり本番は怖いな...)

朝の「余裕だぜ!」という気分はどこかに吹き飛んでしまい、少し不穏な空気が僕の中に流れ始めました。

そして臨んだ次の科目、数学。数学は数ⅠAと数ⅡBの2科目あり、配点は100点ずつの計200点。ここで失敗すると東大の本試験も受けられなくなる可能性もあります。センター試験において一番不安なポイントでした。

まずは数ⅠAが始まります。問題用紙を開くとそこまで目立って難しい問題はなさそう。勉強不足の僕でも答えられる範囲の問題です。完全にはわからない箇所があってもマークシート形式で数字を塗りつぶすので消去法で正解が導けることもあります。数学的な面白さはさておき、今ほしいのは点数なのでとにかくマークシートを埋める努力をします。

自分の納得のいくような出来ではなかったけれど大きな危機を感じることもなく数ⅠAは終わりました。

そして数ⅡB。

問題用紙を開きまずはザッと全体に目を通すのですが、

(あれっ...?)

何だか問題の雰囲気が違います。

(気のせいかな...?)

と思いつつも問題を進めていくと、

(あれっ...)

(やっぱり全くわからない...!!)

そうです、何を問われているのか全くわからない問題がいくつかあるのです。数学は勉強不足だったとはいえ過去問ではだいたい満点近くはとれるようになっていました。ですが目の前の問題は全くわかりません。マークシートの消去法を使っても解けないのです。

変な汗噴出です。毛穴が開きます。

解らないものは解らない、一応努力はしてみましたがそのまま時間が訪れます。その数学がセンター試験の最後の科目だったのですが後味は最悪。初めて「落ちるかも。。」という思いが頭をよぎりました。

試験終了後に周りの高校生達が話している内容を聞いてみるとみんな一様に「数Ⅱ終わった。。」「難化し過ぎ!」「何もわからなかった...」と言っています。僕だけではなかったのか、と少し安心しましたが東大志望の子達はきっとスラスラ解けたんだろうな、とも思いました。

しかし終わったことに対して重い思いを巡らせてるヒマはありません。センターが終わったその日から1ヶ月弱東大本試験の勉強に打ち込まなければなりません。帰りの電車では早速東大試験用の参考書を読み始めました。

ちなみに、後々調べたところによるとその数ⅡBの試験の全国平均点は39点だったそう!!だいたい60点前後の平均点になるように作られるセンター試験の問題としてはヤバ過ぎる数字です。この2015年の数学はセンターの歴史の中でも「事件」だったようです。僕ができなかったのも当たり前ですね。

後にあの辛口のN田も「あの内容じゃしょうがないな。。」と言っていました。

下にその年の数ⅡBの問題のリンクを貼りますので、もし興味のある方はやってみてください。教科書レベルを覚えているくらいだと制限時間内になかなか解けないはず...(たぶん。)

2015年度数ⅡB


To Be Continued...(毎週金曜日連載)

2020/07/10
東大受験物語 第十一話「戦慄は始まった」  
今日異様に道路が混んでいるのはなぜでしょうか?どこかで大規模な工事でもしているんですかね。家の近くも大渋滞です。

蒸し蒸しした日が続きますね。コロナに限らず体調管理には気をつけてくださいね。

今日は毎週金曜日恒例の東大受験物語。もう1週間が過ぎたのか、と感じる瞬間です。(僕だけ?)でもこんな蒸し暑い日に寒い冬の日のことを思い出すのはなかなか良いものです。若干周りの温度が下がる気がします。(これも僕だけ?まさに温度差。)受験の話もいよいよ終盤です。マンガ「ONE PIECE」第100話のようなタイトルにしてしまってごめんなさい。

前回の話↓



2015年1月17日ついにセンター試験本番を迎えました。ふと思い立って受験をすると決めてから7ヶ月。過ぎてみればあっという間。何もわからなかったところからついに本番を迎えることができました。

心配していたのは天気。センター試験当日というのはけっこう雪が降るようで、天気に関してはけっこう気にしていました(気にしてもしかたないですが...)。雪が降ると電車が遅れる可能性があるというのはもちろんなのですが、なんといっても低気圧に弱い僕は天気が悪いと頭の回転が著しく鈍るのです。点数にも少なからず影響が出て来ると思います。

しかしそんな心配をよそに当日の天気は快晴。雲一つない青空が広がっていました。

(運も味方についてる。。)

そう思いながら試験会場の昭和薬科大学に辿り着きました。すごい受験者の数です。ほとんどが高校生です。僕みたいなおじさんはほとんどいません。(でも何人かみかけました。10代の浪人生だったらごめんなさい。。)

試験を受ける教室に辿り着くとみんな必死の雰囲気です。そんな気が溢れています。笑顔で友達と話している子もいましたが、その実、発する気は戦闘モードです。競泳の大会みたいな感じですね。僕も時間ギリギリまで参考書をすごい勢いで読んでいました。直前に読んだところって意外と試験にそのまま出ることもあるみたいです。ギリギリまで努力することは何事においても大切です。

そしてついに時間が来ると試験官が教室に来て問題用紙を配ります。参考書を見るのはもうおしまい。あとは自分の力を発揮するだけです。試験開始の合図とともに全員一斉に問題用紙を開きます。教室に響く紙の音。

(模試を受けといてよかった。。)

模試を受けていたことで試験の雰囲気をなんとなく掴めていたので紙をめくる音にもビビらずに済みました。最初の科目は世界史と日本史。家でやっていた過去問ではほとんど満点を取れるようになっていた科目です。

しかし開始5分で異変が起きました。

(指先が思うように動かない...?!)

問題用紙をめくる時、マークシートを無理潰す時、なんと手が震えるのです。初めての経験でした。模試では全くそんなことはなかったのに。。

(「ワールドカップには魔物が住んでいる」というのはやはり本当だったか...)

などと冗談を考えても手が震えるという身体反応は収まりません。それでも試験は続けなきゃいけないのでなんとか頑張ってマークシートを塗りつぶし続けます。過去問では試験時間の3分の2くらいの時間で終わっていたのに時間終了ギリギリでやっと問題が終わりました。見直しする時間はあまりなかったのですがなんとか全問終えることができました。時間に余裕のある科目が最初で良かったです。

本番というのは何が起こるかわかりませんね。今だったらヨガの呼吸法や調気法で対処できますが、当時は呼吸が浅くなっていたのかもしれません。終わってみれば貴重な経験でした。

その後の国語、外国語は手が震えることもなく無事終わりました。すごく大きな失敗もなく過去問を解く時のように終われた感触。

帰り道、受験した高校生同士が試験内容について友達と話していましたが、僕には受験仲間もいないので次の日のための参考書を片手に電車に乗り込みます。

(手は震えたけど決して悪くない出来だったな。)

この時の僕は次の日に訪れる数の悪魔の存在に全く気づいていませんでした。


To Be Continued...(毎週金曜日連載)

2020/07/03
東大受験物語 第十話「下見」  
今日ブログを書こうと編集ページを開きふと今まで書いた記事の合計数を見てみると、なんと今日で444回目!いつの間にかこんな数字になってました。確かに一年と何ヶ月か毎日書いていますからね。。もうさすがに習慣になりました。習慣になったせいで内容は適当になったかもしれません。まあでも気楽にやらないと続かないので良しとしましょうか。

今日は東大受験物語。先週はあまりの忙しさに休載してしまいましたが今日からまた復活です。最近は作業量が多いので受験当時のことをよく思い出します。いつかブログに書きましたが何をやるにもやはり「タイムリミット」は必要ですね。ないなら自分で設ける。人間は基本的には隙あらば手を抜こうとしますので。ある程度自分を律するものの設定が必要だったりします。

前回の話↓



東大模試を受けた少し後にセンター試験の模試も受けていました。こちらは東大試験と異なりマークシート方式。内容も高校教科書の範囲を出ないため東大模試よりはだいぶ手応えを感じました。結果も12月の時点にしてはまずまずの結果。足切りはギリギリ免れるのではないかという感じです。

しかしながら模試と本番は雰囲気も内容も全然違うでしょうし、模試がたまたまうまくいっただけかもしれない。なのでもっと余裕がほしいところ。12月中旬からセンター本番までの1ヶ月間はセンター試験対策だけに絞って勉強をすることにしました。過去20年分の過去問などを買ってやりまくりました。

そして問題はセンター試験でしかやらない科目。東大試験でもやる国語(現代文・古文・漢文)、歴史(世界史・日本史)、外国語、数学(数Ⅰ・Ⅱ・A・B)などは早い段階で勉強をスタートしていましたが、センター試験でしか使わない化学と地学はまだ手をつけていませんでした。化学はN田の専門だったので数学の合間を縫って合計4時間で教科書を終わらせてもらいました。

地学はN田もK君も専門外だったので教科書と適当な参考書を購入し自分で勉強し始めました。内容は地球の動きや太古の生物などなかなか面白い内容だったので思ったより勉強が捗りました。

こうしてセンター試験に必要な科目が全て揃い、全てを万遍なく進めていきます。一番不安だったのは数学Ⅱ・Bでしたが過去問を繰り返すうちにだんだんと点数もとれるようになってきました。そして歴史などは過去問でだいたい満点をとれるようになりましたが、年によって難易度に差のある国語などはまだだいぶ点数にブレがありました。

そんな感じで勉強に打ち込んでいるうちにクリスマス、年末が過ぎお正月を迎えました。新年に入るとよりいっそう受験モードです。そして12月に届いた受験票によれば僕のセンター試験受験会場は「昭和薬科大学」。玉川学園前駅が最寄りの大学でした。

新年早々その昭和薬科大学の下見に行くことにしました。試験当日何が起こるかわからないので駅からの道順などを確認しておくことにしました。そういうところは過去の経験から慎重になっていたのですね。現地に言ってみると駅から大学まではそれなりに距離があります。徒歩15分。「当日15分歩くのは頭の血流量を上げるための良いウォーミングアップになるな」とポジティブに捉えました。

ところで下見といえばその3ヶ月ほど前に実は東大の駒場キャンパスを見に行っていました。妻と2人で京王井の頭線の駒場東大前の目の前にあるキャンパスを歩いて回りました。建物には入らなかったのですが、ブラッとイチョウ並木道を歩き「こんな感じの雰囲気なんだ」と当時は通えるか不確かだったキャンパスに思いを膨らませました。後々駒場キャンパスが東大試験本番の会場になることがわかり、その時のお散歩見学がそのまま受験本番のための下見をかねていたことを知ります。

そして集中すればするほど時間が経つのははやく、新年が明けてからあっという間にセンター試験の当日を迎えました。

いよいよ本番。春が訪れるのか冬に閉じ込められるのかはまずここで決まります。


To Be Continued...(毎週金曜日連載)
1  2  3  >  

RSY~Rainbow Season Yoga~

お気軽にお問合せください↓

E-Mail:info@rsy-yoga.com

お問い合わせ