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消えた亀

2023/09/28
マルギナータリクガメ フチゾリリクガメ
6月にうちに来た保護リクガメのギーナ(年齢不詳のオス)。滋賀県で車道を歩いていたところを保護された亀が色々と縁あってうちにやってきました。

数ヶ月一緒に過ごすうちに、彼の性格も頭の良さもだんだんわかってきました。時には出し抜かれて育成中のクローバーの若芽をほとんど食べられてしまったり(過去ブログ参照→頓挫した計画)。お互い騙し騙され合いながらも楽しい日々を過ごしていました。

昨日の朝、早朝オンラインクラスが終わり子ども達を幼稚園に送る準備をしている時、ふと何だか違和感というか予感に似たものを感じギーナが住んでいる庭を見に行きました。

ギーナが住んでいる犬小屋の扉はまだ開いておらず鍵がかかっています。しかしなぜだか扉の前でいつも待ち構えているはずのギーナの姿がありません。

「まだ奥の部屋に籠っているのかな?」と小さな窓から家の中を覗いても何も見えない。。急いで扉を開けて中をちゃんと確認してみるとやっぱりギーナはいない。

また前回に引き続き妻を出し抜いて夜に犬小屋に戻ったふりをしてクローバーを食ってるのか?!と庭全体を見渡してもギーナの姿がどこにも見当たりません。よく体を休めている日陰スペースにもいないのです。

そして...庭の端の方に目を向けた時、戦慄が走りました。

ギーナが超えられないように重ねて置いてあったブロックが一つ倒れていたのです。1箇所だけギーナでも登れるような高さになってしまっていたのです。

「なんであんな重いブロックが倒れているのか?」という疑問はありましたが、何よりもまずいなくなったカメを見つけなくてはなりません。家の周りを駆け回りました。妻と一緒に。隣家との間や近所の車の下。その他色々な隙間など。しかしいません。

そもそもいつ脱獄したのか?気づいたのは午前8時頃でしたが、前の晩から犬小屋に入っていなかったとすると、夜中のうちに行動を起こした可能性もあります。すると行動範囲は...?

目眩が襲ってきました。亀はイメージよりも速く遠くに行けるのです。近所をくまなく探した後、ネットでリクガメの脱走情報を調べました。どういう所に行く傾向があるのか?

調べて見ると、2日で50キロも移動した亀がいたり、脱走から2年後に保護された亀もいたり。結構な数字...

ともかく車に轢かれたり、側溝にはまって動けなくなることもあるので危険はたくさん。今度は範囲を広げて自転車で家から1km圏内を走り回りましたが見つからず。

そのまま僕は10時からのオンラインクラスの時間になりました。妻はその間も外を歩いて探していたようですが、結局見つからず。。

もう昼になり、行方不明と気づいてから5時間経過していました。出て行ってからはもっと長いのかもしれない。

そして妻ともう一度自転車に乗って走り回ることにしました。とにかく距離を稼いで広い範囲を捜索する作戦。しかし、30cm弱の動物を探してみて感じたのは「世の中隠れるとこだらけ」という事実。たとえ近くを通りかかったとしても物陰などに隠れられていたら発見は困難なのです。そして時間が経つほどに移動範囲は広くなり難易度は上がっていきます。

自転車に乗りながら考えました。「このままだと外の世界で生きていくことになるけど車に轢かれないでほしいな。」「3年後くらいにひょっこりどこかで会える可能性はあるかな?」「でもリクガメは目立つから誰かに保護される可能性は結構あるかも。明日市の保健センターに電話をしておこう。」などなど。

見つからず焦る気持ちに諦めの気持ちもだんだんと混ざってきていたのです。

どこを探していいかわからない気持ちの中で一度市役所の掲示板を見にいくことにしました。ネットで調べるとそこに保護された動物の情報が載っているというのです。おそらく犬や猫だけだろうし、別にすぐ情報が貼り出される訳でもないのですが、今後のために場所だけ確認しておきたいという気持ちもあり市役所へ。

結局その時点では犬猫の情報すら貼っておらず、まさに掲示板という物体を眺めただけになりましたが、一応そんな場所もあるということだけを確認し再び自転車へ。帰り道も色んな所に目を動かしながら妻と2人で自転車を漕ぎました。

「遠くに行ってるかもしれないけど、やっぱり家の近くに潜んでいる可能性もあるから家の周りをもう一度探そう。」ということで家に向かう車道を走っていると、突然後ろから妻が、

「あっ...!!!いた!!!!」

と大声で叫びました。

えっ...?と思い右の方に視線を向けると...

甲羅の高さのあるカメが今まさに僕たちが走っている車道を渡ろうとしていました。立派に反り返った甲羅の後ろ側...遠目からも見間違えることのないフォルムは、、

マルギナータリクガメ!!ギーナ!!

妻の大声を聞いたギーナは歩みを止めフリーズしています。

なんたる運命。家から200mほど離れたこの道路でまさかの遭遇を果たすとは。

歩いてきた方角からすると近所の農家さんの畑を抜けてきたようです。たまたま市役所帰りに通った道。たまたまギーナが歩いて車道を渡ろうとした瞬間。そこで遭遇した僕ら

この車道はかなり車の往来も多く、現に妻がギーナを発見した次の瞬間には一台の車がかなりのスピードで通っていきました。間一髪。

車道を渡り、ギーナの元に駆け寄ると彼は大きく「ハッ...!」とため息をつきました。目も心なしか虚無状態になっています。(写真は発見時のギーナ)

ギーナからしたら千載一遇のチャンスを逃したのです。妻を出し抜いて犬小屋から出て過ごせたこと。そこになぜかブロックの崩落が重なり庭から抜け出せたギーナ。しかしなんの運命の悪戯か。車道を渡る直前で人間2人に出くわしてしまったギーナ。悪運が強いのか、悪運尽きたのか。ともかく最後の最後の詰めが甘かったのです。観念した顔をしています。

そういう意味では今回は僕たちの勝ちでした。本当に結果的に。

しかし、本当は...先ほど書いたように僕の心は諦めの方に傾いていたのです。それを妻に話すと彼女も僕の心が折れていくのを感じていたようで「何やってんだ?」と思っていたそうです。

そして彼女の心はどうだったかというと、「ちゃん(僕のこと)がギーナを見つける映像が常に頭にあった」そう。そこを想像してワクワクすらしていたそうなのです。全く諦めていなかった。

信じる心。諦めない心がギーナの賢い頭と悪運に打ち勝ったのです。今回は妻の一人勝ち。そもそもギーナを発見した時僕は逆側を見ていました笑。なので1人で走っていても見つからなかった。

心持ちは大事だなと思いました。

それにしても...ギーナは滋賀で発見された時もどこかの家から脱走してきていたのかも...?捨てられた可能性よりも脱走した可能性の方が多い気がします。もしそうだとしたら、いつかどこかで元の飼い主がこのブログに辿り着く可能性もあるかな?そう考えるとこういうことを書き続けることも有効なのかも。

そんな感じで昨日は感情のジェットコースターを味わいました。アナ骨テーマの「ゆらぎ」の心臓に悪い版だね。

ともかく結果オーライ。よかった。これからも気をつけよう。

ではまた次回!!

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