保護リクガメのギーナ(マルギナータリクガメ)を引き取ってから三ヶ月ほど経ちましたが、その生活ぶりを観察していると色んなことがわかってきました。
まずなによりも…
頭がいいのです。
以前にブログで書きましたが、裏庭で生活しているギーナが大好物で栄養のあるものをいつでも食べられるように、ホワイトクローバーを一面に繁茂させる計画を実施中です。
つまりはクローバーの種を蒔いたところはブロックや柵などで囲んでギーナが侵入できないようにしているのです。若芽をバクバク食べられてしまうとクローバーが全然増えないからです。
ある程度増えてしまえばクローバーの成長速度がギーナの食べる量を上回るので常に食べ物を維持できます。
なので今は犬小屋(ギーナが夜寝る家)の横の区画は立ち入り禁止にしてあります。
しかし…
昨日ふと庭を見てみると、なんとギーナがその区画に侵入してクローバーをバクバク食べてました。侵入防止の重いブロックや柵がその横で転がっていました。
なんと全部なぎ倒していったのです。本人はケロッとした顔でクローバーの若芽を食いまくっています。
僕がギーナを眺めているのに本人(本亀)も気づいて一瞬動きを止めましたが、次の瞬間には悪びれる様子もなくしれっとした顔で再びクローバーを食べ始めました。
まさかあのバリケードを突破するとは…頭の良さも力の強さも侮っていました。
そして…
事は夜起こりました。
日が落ちるとだいたいいつも妻がギーナの家の戸のカギをかけます。暗くなるちょっと前にはギーナが自分で犬小屋の中に入って寝床でじっとしてるので、扉だけ閉めてカギをかけるだけでいいのです。これで夜のタヌキやハクビシンから身を守れます。
昨日もいつも通り妻が犬小屋のカギをかけていました。特に犬小屋の中を確認することもなく。
たまたま僕はその風景を見ていたのですが、突然得体の知れない違和感が頭をよぎりました。そして妻に聞きました。
「ギーナは犬小屋に入ってる?」
妻は答えました。
「全然確認してないけど、もう暗いし入ってるでしょ。」
確かに犬小屋を導入してから今まで毎日ギーナは自分で家に入っていたのです。1日も欠かさずに。リズムのある生活が絶対的な正義であるとでもいうように。
しかし、僕の頭の中には午前のギーナの様子が浮かんでいました。クローバー区域に侵入してムシャムシャ好物を頬ばる顔。。
「いや、なんだか胸騒ぎがする。」
と僕は庭に出て本当にギーナが家に入ってるか確認しに行きました。スマホの光で犬小屋の小窓を照らし目を凝らしてみると…
いないやん…!
犬小屋空っぽやん…!
誰もいないのにカギかけてしまっとるやん…!
そして庭中を照らして確認してみると…
家から庭に出る窓のすぐ下の影でギーナはじっと丸くなっていました。
そしてその顔は「バレちまったか…」という無念の表情。
おそらく早朝からまたクローバー区域に侵入しようとしていたのです。誰も起きていない時間に心おきなく食べたかったのでしょう。
今までに欠かしたことのない「自分で家に入る」というルーティーンでこちらの信頼を勝ち取り、そしてその信頼を利用して今回の作戦を実行した。
恐ろしく頭の切れる亀。
しかし妻はやり過ごせても、僕の思考を上回ることはできなかったのです。
知恵と知恵のぶつかり合い。
これからも続くのでしょう。
どことなく悔しそうな目をしながらギーナは家に帰っていきました。
今回は惜しかったな…
だが相手が悪かった…
ギーナよ、またいつでも挑んでこい。受けて立ってやる。
ということでまた次亀!!