東大受験物語 第十一話「戦慄は始まった」

2020/07/10
東大受験物語 第十一話「戦慄は始まった」
今日異様に道路が混んでいるのはなぜでしょうか?どこかで大規模な工事でもしているんですかね。家の近くも大渋滞です。

蒸し蒸しした日が続きますね。コロナに限らず体調管理には気をつけてくださいね。

今日は毎週金曜日恒例の東大受験物語。もう1週間が過ぎたのか、と感じる瞬間です。(僕だけ?)でもこんな蒸し暑い日に寒い冬の日のことを思い出すのはなかなか良いものです。若干周りの温度が下がる気がします。(これも僕だけ?まさに温度差。)受験の話もいよいよ終盤です。マンガ「ONE PIECE」第100話のようなタイトルにしてしまってごめんなさい。

前回の話↓



2015年1月17日ついにセンター試験本番を迎えました。ふと思い立って受験をすると決めてから7ヶ月。過ぎてみればあっという間。何もわからなかったところからついに本番を迎えることができました。

心配していたのは天気。センター試験当日というのはけっこう雪が降るようで、天気に関してはけっこう気にしていました(気にしてもしかたないですが...)。雪が降ると電車が遅れる可能性があるというのはもちろんなのですが、なんといっても低気圧に弱い僕は天気が悪いと頭の回転が著しく鈍るのです。点数にも少なからず影響が出て来ると思います。

しかしそんな心配をよそに当日の天気は快晴。雲一つない青空が広がっていました。

(運も味方についてる。。)

そう思いながら試験会場の昭和薬科大学に辿り着きました。すごい受験者の数です。ほとんどが高校生です。僕みたいなおじさんはほとんどいません。(でも何人かみかけました。10代の浪人生だったらごめんなさい。。)

試験を受ける教室に辿り着くとみんな必死の雰囲気です。そんな気が溢れています。笑顔で友達と話している子もいましたが、その実、発する気は戦闘モードです。競泳の大会みたいな感じですね。僕も時間ギリギリまで参考書をすごい勢いで読んでいました。直前に読んだところって意外と試験にそのまま出ることもあるみたいです。ギリギリまで努力することは何事においても大切です。

そしてついに時間が来ると試験官が教室に来て問題用紙を配ります。参考書を見るのはもうおしまい。あとは自分の力を発揮するだけです。試験開始の合図とともに全員一斉に問題用紙を開きます。教室に響く紙の音。

(模試を受けといてよかった。。)

模試を受けていたことで試験の雰囲気をなんとなく掴めていたので紙をめくる音にもビビらずに済みました。最初の科目は世界史と日本史。家でやっていた過去問ではほとんど満点を取れるようになっていた科目です。

しかし開始5分で異変が起きました。

(指先が思うように動かない...?!)

問題用紙をめくる時、マークシートを無理潰す時、なんと手が震えるのです。初めての経験でした。模試では全くそんなことはなかったのに。。

(「ワールドカップには魔物が住んでいる」というのはやはり本当だったか...)

などと冗談を考えても手が震えるという身体反応は収まりません。それでも試験は続けなきゃいけないのでなんとか頑張ってマークシートを塗りつぶし続けます。過去問では試験時間の3分の2くらいの時間で終わっていたのに時間終了ギリギリでやっと問題が終わりました。見直しする時間はあまりなかったのですがなんとか全問終えることができました。時間に余裕のある科目が最初で良かったです。

本番というのは何が起こるかわかりませんね。今だったらヨガの呼吸法や調気法で対処できますが、当時は呼吸が浅くなっていたのかもしれません。終わってみれば貴重な経験でした。

その後の国語、外国語は手が震えることもなく無事終わりました。すごく大きな失敗もなく過去問を解く時のように終われた感触。

帰り道、受験した高校生同士が試験内容について友達と話していましたが、僕には受験仲間もいないので次の日のための参考書を片手に電車に乗り込みます。

(手は震えたけど決して悪くない出来だったな。)

この時の僕は次の日に訪れる数の悪魔の存在に全く気づいていませんでした。


To Be Continued...(毎週金曜日連載)