東大受験物語 第二話「わんぱく宣言」

2020/04/10
東大受験物語 第二話「わんぱく宣言」
昨日のブログでお知らせしました通り明日の朝9時から60分ほどオンライン(Zoom使用)で試しに無料グループレッスンを行います。もし参加ご希望の方がいましたら明日の朝8半頃までにご連絡いただければ、ミーティングIDとパスワードをお送りします。この2つの番号をZoomの画面に入力するとこちら側と繋がります。

Zoomを使う上で今のところ1番多いのが音声のトラブルです。画面でお互いの顔は見えるけど相手の声が聞こえなかったり、自分の声が相手に届かなかったりします。(解決法がわかりやすく書いてあるページはこちら)あとはそもそもZoomのインストールの仕方がわからないといった声もちらほら聞こえます。(あとはオンラインのリアルタイムレッスンがそもそもイメージできていない場合も。。)もしできることがあれば手伝いますのでご連絡くださいね。

さて今日はコロナの話もレッスンの話も一時お休み。先週から連載が始まった「東大受験物語」です。前回までの話→東大受験物語 第一話「M善」



東京外国語大学を受験すると決まればまずは勉強の開始です。そして何かを開始するといえばまずは宣言です。周りの人に自分がこれから打ち込むことを宣言してしまえば、半強制的に勉強せざるを得ない状況に追い込めるからです。人間は基本的に怠けるものだと思います。(怠けるのは省エネで生きるために必要なのですが。)なので何かに打ち込みたい場合には自分の身をそれなりの環境に置いた方が良いのです。

僕にとってその一つの方法が周りの人への宣言でした。

宣言することで精神的に追い込める環境を創り出すのです。

受験勉強を始める前の段階、まだ全てが手探りの状態で家族や友達に「今年受験してみる」と宣言しました。

・・・と、ここまでは非常に良かった。「宣言」とか「追い込む」とかなんだかかっこよく、我ながら抜群の滑り出しでした。でもここからが問題でした。結局何から始めるべきなのかわからないのです。塾や予備校なんかに入って勉強を教えてもらおうとも考えました。でも中卒の人が半年ちょっとで大学受験の力をつけられるような塾などありそうになかったのです。(ちゃんと調べればあったのかもしれません...)まあ受験は基本的に高校3年生や浪人生が多いですからね。

なので選択肢はやはり独学。本に全て教えてもらう必要がありそうです。まずは本を買わなければなりません。本といえば例によってM善。まだその時若葉台のコーチャンフォーはオープンしていませんでした。M善に行って受験コーナーをみてみると膨大な量の参考書が並んでいました。

(まずは、高校3年分の勉強をやらないといけないな...とりあえず本試験の科目にある世界史の本でも買ってみるか。。)

(あれ、そういえばセンター試験というのも受けなければいけないんだっけ...?数学は確実に必要だろうな...?)

今思うと無知過ぎる思考で購入したのは「世界一やさしい世界史」「高校の数学が一冊で理解できる本」(タイトルはうろ覚え。)でした。本のタイトルからわかるように最初僕はなるべく労力が少なそうな本を選んだのでした。周りに大学受験を高らかに「宣言」しておきながら、受験勉強を省エネでやろうとしていたのです。(やさしい本から入るのは後々考えてみれば半分正解ではあるのですが、この辺の話はまた今度。)まあ正直少し受験をナメていたのですね。「受験戦争」なんてたかがしれているだろうと思っていた部分は確かにありました。

さて、そんな軽い気持ちで世界史の参考書を開いてみると、古代ギリシア文明やローマ文明のことがものすごく「やさしく」書いてあります。「世界一やさしい」だけあって絵をふんだんに用いながらざっくりとした内容が書いてあります。色んな細かいことを省略してあるのでしょう。逆に何を言っているのかわかりません。。

気を取り直して数学に手をつけます。巻頭に載っている中学の復習のような所を開いてみます。三平方の定理,,.?聞いたことがありますが何のことか忘れてしまっています。そこで気づきました。高校3年分の勉強をやればいいと思っていたのは間違いだと。中学の勉強からスタートです。高校の内容は中学の積み重ねの上にあるものなのだから。中学卒業から12年以上経過してしまっていたので、頭がすっからかんになってしまっていたのです。

(中学生用の参考書買い直すか...)

なんとなく大学受験の大変さがわかってきました。その時すでに受験本番までは7ヶ月を切っていました。「もしかしたら今年度の受験は物理的に間に合わないのかもしれない...」そんなことも思い始めました。意気揚々と物事を始めて、ちょっとしたことで心が折れかける。よくあることです。

(無理かも...)

(でも不可能ではないな。)

こうして今よりアホだった当時の僕にはなぜか反骨心のようなものが芽生え、数学や世界史の高校教科書を買いに行きました(ついでに中学数学の参考書も買いました)。「世界一やさしい〜」に頼っているようじゃダメだと理解したのです。

今思えばこの頃はまだ平和でした。この後幾度となく心を折られるようになることをこの時の僕は知る由もありませんでした。


To Be Continued...(毎週金曜日連載)