下半身が大切とはスポーツの世界などではよく言われます。「下半身を1から鍛え直したので安定感が増し今シーズンは好調でした」なんていう野球選手や力士の話もよく耳にしますね。でもアスリート以外の人にも下半身は大切なのでしょうか?またそうだとしたらなぜ大切なのでしょうか?
そもそも下半身とは身体のへそから下の部分をさします。下半身は下腹、お尻、もも、ふくらはぎ、足などから成り、股関節や膝関節などの関節や骨盤などを含みます。
「「人間も動物」動かずにいれば身体が衰える」でも述べましたが、人間は身体を動かすのを前提として活動しています。そしてその活動の中心となるのが下半身なのです。地上でかかる重力に対しての土台であり、どこかへ移動するために必要となる下半身を良い状態に保つ事は人間にとってとても大切なことなのです。
下半身の機能性を上げることは、「歩くのがスムーズになる」「スポーツで良い動きが出来るようになる」など単なる機能面だけの効果でなく肉体的、精神的に無限の可能性をもたらします。人によってその具体例は異なりますが、一言で言えば心身の「心地良さ」、さらには「バイタリティ」を上げるのです。
RSYのヨガレッスンでは下半身の使い方を大切にしています。ここからは下半身を部位別に注目しその役割と可能性をみていきましょう。
みなさんは股関節について日頃考えたり意識することはありますか?もしかしたら全く意識することなく生活している方もいるかもしれません。でもタイトルにある通り股関節は全身の要であり超重要な部位となります。人間の身体に備わっているものはもちろん全てが大切なもので本来優先順位をつけるべきではないのですが、それでもあえて言いますと股関節が一番重要な関節です。
股関節は人間の身体の中で一番大きな関節で、大腿骨(太ももの骨)の先端の球状の部分が骨盤下部の寛骨臼という所にはまり込んでいる部分のことです。太ももの骨の先端が球状になっていることで股関節は360度色んな方向に動くことができます。(例えば膝関節などは曲げたり伸ばしたり基本的には一方向だけにしか動きません。)そのため周りには股関節を色々な方向へ動かすための大事な筋肉がたくさんあります。(お尻の筋肉や腸腰筋など。股関節は英語でHip Joint:直訳「お尻の関節」と呼びます。)
また股関節は上半身と下半身の境界近くにあり上半身の重みを一身に支える関節でもあります。重力の影響を受けやすい場所であるため、股関節は障害が出やすい場所でもあるのです。色々な方向へ動ける分、どこかの筋肉の機能性などが失われてしまうと偏った負担がかかってしまうのです。高齢になってくると股関節の痛みや変形に悩まされる方が多いのはそのためです。若い人でも身体を使うことが少ないと真っ先に弱ってくる場所でもあります。そしてその影響は股関節周りだけでなく全身へと広がっていくのです。
股関節には様々な役割がありますが、その内のいくつかの特徴をみていきましょう。
みなさんはお尻についてどんなイメージを持っていますか?生まれた時から当たり前についているものなのであまりお尻について深くは考えたことがないかもしれません。でも漠然と「かっこいいお尻だったらいいなあ」とか「陸上短距離選手のお尻はすごいなあ」と思っている方もいるのではないでしょうか?
一口にお尻とは言っても様々な筋肉から構成されています。またお尻は最重要の関節である股関節を動かすのにすごく活躍しています。むしろ股関節はお尻を構成する一部であり、お尻(の筋肉)も股関節を構成する一部と言っていいかもしれません。ところで股関節は英語で"Hip Joint"、直訳すれば「お尻の関節」と呼ばれています。ここからもお尻と股関節が切り離せないことがわかりますね。
お尻は大臀筋、中臀筋、小臀筋や深層の筋肉である梨状筋(外旋六筋)などから形成されています。いくつもの筋肉が重なりあってお尻の形が出来ています。ほとんどの筋肉が股関節の安定や動作にかかわっています。
ところで皆さんは自分のお尻の形を鏡でチェックしたことはありますか?股関節と深い関係にあるお尻を普段からうまく使えていれば程よく引き締まった丸みのある形になっているはずです。逆に股関節をうまく動かせていないとお尻の形は。。。「股関節は全身の要」でみてきたように、股関節の機能が全身の機能を左右します。そしてお尻とはその股関節の状態を外から判断できるもの、つまり「お尻は全身の鏡」なのです。もっと言えば、身体の状態は人生をも左右しますので「お尻は人生の鏡」とも言えるのです。そこには今までの人生や今の自分がありのままに映されます。
力を抜いている状態で自分のお尻を触ってみるとフニャフニャ過ぎたりガチガチに固まり過ぎたり、全体の形が平べったくなってしまったり横に広がりすぎたり、、お尻がその人の生活習慣や体質を物語っていきます。お尻を正しく使えるようになれば股関節が整い全身が変わってきます。お尻自身も弾力ときれいな丸みのあるお尻に変わってきます。生命力に溢れ生き生きしている人はお尻も整っているのです。
ヨガではお尻の筋肉を目一杯使ったり逆に力を抜いてみたり伸ばしたり、様々な方法でお尻を刺激していきます。結果的にお尻の筋力や柔軟性が向上していきます。(たまに筋力がつく=デカくなるというイメージを持っているかたがいらっしゃいますが、必ずしもそうではありません。大腿骨の端の大転子が横に張り出してお尻が横に広がっていた方は幅が狭くなってきますし、お尻が弱くて平べったくなっていた方は丸みが出てきます。いずれにせよ本来あるべき形に戻っていくのです。)お尻の機能性が上がると身体がエネルギッシュになり自信が湧くようになってきます。自信は持つものではなくて身体が整えば自然に湧いてくるものなのです。
一度家の鏡で自分の「人生の鏡」をチェックしてみてはいかがでしょうか?