股関節周りにはたくさんの重要な筋肉が集まっていますが、その分
血液やリンパ液の行き来も活発です。よく夕方などにふくらはぎがむくんでしまう方がいますが、股関節をしっかり動かすことでも解消していきます。
下半身を巡った血液は重力に逆行して上半身へと送り返される必要があるのですが、常に筋肉が縮こまって(もしくは伸びたまま)硬くなっていると血の流れが下半身で滞ってきます。というのも血液が上半身へと上っていくためには筋肉のポンプのような作用が必要となるからです。筋肉がしなやかで伸縮性のある良い状態であれば血液がスムーズに上へと移行します。しかし股関節周りはたくさんの重要な筋肉が複雑に入り組んでいる分、どこかに機能性の低下が見られれば血液、リンパ液がそこで滞ってしまうのです。上半身へ移動できなかった血液、リンパ液は下半身にたまったままになりむくみが起きるのです。
筋肉のポンピング作用(ポンプのように水分を上へ汲み上げる作用)でよく注目されるのはふくらはぎですが、ふくらはぎの筋肉ばかりをどんなに鍛えて柔軟性を上げてもその上部にある股関節を通過できなければ全身への血液やリンパ液の流れは滞ってしまいます。さらに股関節周りの筋肉の機能が低いままふくらはぎを鍛えると太く硬い筋肉がついてしまったりで逆効果なこともあります。
血行が悪くなることは万病の元だと言われています。特に内臓は股関節のすぐ上部のお腹から胸にかけておさまっています。股関節の機能を改善することで内臓への血流量が増加し弱かった箇所の機能を上げていきます。血液は新鮮な栄養や酸素、ホルモン等を細胞まで送り届け二酸化炭素や老廃物を回収する役割があります。その血液やリンパ液の流れが改善するということは全身の細胞の新陳代謝の改善にもなり、身体が生き生きと輝いてくるのです。
もちろん股関節の改善は冷え性も改善します。また頭への血流が良くなるので、記憶力、認知能力も改善してきます。
このように股関節周りの筋肉を動かし機能を改善するだけで全身に良い効果が出てくるのです。ヨガは股関節を改善するのに最適な方法です。様々なアーサナ(ポーズ)で股関節を直接または間接的に刺激していきます。360度回転出来る股関節では特定の筋肉が強ければ(また柔らかければ)いいわけではなく、多くの筋肉の強調性も必要になってきます。ヨガのアーサナにはその協調性を取り戻す働きがあります。ヨガをしていると確実に股関節の動きが変わってくるのが実感できると思います。そして自分の悩み、コンプレックスも次第に解消していきます。
なにより身体のなかの流れがよくなるとそれだけで毎日が気持ちよく過ごせます。股関節のスッキリ感を一度体験してみてはいかがでしょうか?