今日はとても変わった現象を目にしました。
夕方頃少し時間があったので近くの公園に長男と次男を連れて遊びに出かけました。長男はジャングルジムで、次男は昨日模型店で買ったプロペラのおもちゃで遊んでいました。僕は近くのベンチに座ってボーっとしてたのですが何やら足元で不穏な動きを感じ取りました。よく見てみると、、
アリです。
アリの群れです。
「アリの群れなんてしょっちゅう見るよ」と思うかもしれませんが、普段見る餌を運ぶアリの行列なんかとは動きが全然違うのです。一列に並んで行進しているのではなく、ヌーの大移動さながらに数百匹がまとまって移動しているのです。しかもそれぞれの個体が真っ直ぐ移動するのではなく四方八方に動きながらも群れ全体としてはある方向へ少しずつ移動しています。
それはロードオブザリング/王の帰還でアラゴルン率いる死者の軍勢が敵をなぎ倒して戦場を猛スピードで駆け巡る様子に酷似していました。(伝わるかな…?)とにかくものすごい勢いとすごみがあったのです。
僕も子ども達も普段見ない光景に呆気にとられながらもアリの行き先がどこなのか気になり群れを追って行きました。そしてその群れが十数メートルほど進んだ先に目的地がありました。
アリの巣の入り口です。
群れはその入り口に到達すると次々に巣の中に潜り込んでいきました。そして数秒後には先程のアリ達が再び続々と外に出てきます。
そしてなんとその口にはそれぞれ真っ白や黄色の幼虫や蛹を咥えています!
その群れは一匹につき一匹のアリの幼虫や蛹(やおそらく繭)を運んで元来た道を戻っていくのです。。
そのアリ達を再び追って行くと、とあるアリの巣にみなさん入って行きます。
(なんらかの原因で古い巣に住めなくなって大規模な引っ越しをしたのかな…?)
公園にいる時点ではそんな風に考えていました。何か一つの巣でとてつもない危機でもあって別の場所に巣を作り移動したのかな、と。
帰ってからアリのことが気になりネットでこの現象を検索してみると僕の想像は全く外れていました。。
実はアリ達はなんと「奴隷狩り」をしていたのです。
ネットと図鑑で集めた情報によると僕が見たアリの群れはサムライアリという種類のアリだそう。サムライアリ達が目指していた場所はクロヤマアリの巣穴。サムライアリはクロヤマアリの巣からクロヤマアリの幼虫や蛹を大量にさらっていったのです。
実はサムライアリというのはクロヤマアリを奴隷にして生活しているようなのです。クロヤマアリに餌を運ばせたり、自分たちの幼虫を育てさせたり働かせる。そしてそのクロヤマアリが死んだりして奴隷が少なくなったら、群れでクロヤマアリの巣に押し寄せてその幼虫や蛹を確保し奴隷としての労働力を補充するそうです。
それが「奴隷狩り」。7〜8月にそういった行動を起こすそうです。僕が見たのはまさにその現象だったのですね。
サムライアリの群れがクロヤマアリの巣を襲う様子は動画に撮ったのですが、虫が苦手な方もいますので今回の写真は長男の雲梯風景。もしご希望の方はLINEで今日撮ったアリの動画を送ります笑
人間含めこういった動物の行動には考えさせられますね。