ヨガには様々な要素があります。呼吸法、アーサナ(ポーズ)、瞑想、哲学などです。未経験の方がヨガに関してまっさきにイメージするのはアーサナと呼ばれるヨガ独自のポーズではないでしょうか?(哲学や瞑想からヨガに触れる方もかなり多いですが。)教室に通ったことがなくてもヨガの本やDVDを見てアーサナに挑戦されたことのある方もいるかもしれません。しかしこのアーサナ、簡単そうに見えるものでも一人でやってみると意外と難しいものです。どこに力を入れるのか?逆にどこを伸ばしていくのか?膝の角度はどれくらいが正しいのか?そんな疑問が浮かんできたりします。もしくはそもそもアーサナの難しさに気づけないことも多々あります。
それぞれのアーサナにはそのアーサナの効果を引き出すことのできるポイントがあります。写真を見てなんとなくアーサナをまねることができてもいまいち身体に変化がない場合、そのアーサナのポイントをつかめていないことが多いのです。
ヨガ教室に通うことのメリットの一つ目はこのアーサナのポイントをインストラクターがしっかり解説するという点です。また各々の参加者の身体の使い方に合わせて助言や補助を行います。アーサナの数あるポイントには優先順位があり、教室でのインストラクターの生の声はその優先順位をはっきりさせます。「このポーズはまず一番に何を意識して動かなければならないのか?」「身体がかたくて隣の参加者と同じポーズの形にならないけど大丈夫なのか?」「呼吸はどう行えばいいのか?」などの疑問に対する答えが見つかるので今の自分にあったアーサナの形が見つかりバランスのとれた心身へと変わっていきます。
例えば"アドー・ムカ・シュヴァーナアーサナ”「下を向いた犬のポーズ」というアーサナがあります。お尻を高く上げ、身体で三角形を作っています。このポーズで最初に一番意識すべき身体のポイントは脚の付け根を高く引き入れるようにし腰のラインをまっすぐに伸ばしていくことです。腰が丸まってしまうことでもも裏の伸びが弱まってしまったり、このポーズで重要な働きをする腸腰筋という筋肉が使えなくなってしまいます。ですのでもも裏が伸びずに辛い方は少しヒザを曲げたりかかとを床から浮かしても良いので腰をまっすぐに(骨盤を前傾)していきます。そうすることで背中の広背筋もしっかり伸びてきます。慣れないうちは無理してヒザをまっすぐにしてかかとを床につけなくても良いのです。
このように取るべき形、守るべきフォームのポイントには優先順位は存在するのです。ヨガは自分一人で自分のペースで行うものだとしても"似ている形"をとるだけでは本来あるはずの効果が生まれません。逆に言えばちゃんとした身体の使い方が出来れば確実に効果が生まれるのです。
またインストラクターが繰り返し言っていることはヨガをする上で優先すべきことが多く、耳にする頻度が高いので意識に残りやすくなります。するとやがて教室以外の所でも一人で深いアーサナが行えるようになります。このようにまずはインストラクターの元でヨガを行うことが心身に変化を出すための最初の一歩になるように思います。