東大生活物語 第十話「心理学×催眠術」

2020/11/06
東大生活物語 第十話「心理学×催眠術」
こんにちは。ブルーライトこうきです。いかがお過ごしでしょうか?

突然ですが、みなさんは催眠術にかかったことがありますか?質問してみたもののおそらくほとんどの人が経験がないことでしょう。なかなか催眠術師なんて身近にいないですからね。

そして「催眠術=怪しい」というイメージを多くの人が持っているのではないでしょうか。テレビに出ている催眠術師を見るといかにも怪しい格好で大袈裟なことをしています。エンターテイメントとしては面白いけど「ホントかよ?」といった感じ。全部ヤラセじゃん、と思うくらいです。

しかしながら僕は大学一年の時に唐突に催眠術を体験することになりました。今日はそんなお話です。

前回の話はこちら↓



大学一年の最初の学期に僕は心理学の授業をとっていました。単位取得に必要というのもありますが単純に興味のある分野でした。人の心のメカニズムは思ったより単純で、そして思ったより複雑で面白いのです。

その心理学の授業はけっこう人気があり受講者数も多かったので900番講堂という広い講堂を使って行われました。MAXで400人くらいは入れるんじゃないでしょうか。そんな場所でおそらく200人ほどがその授業を受けていました。

授業の内容自体は心理学初学者向けに基本的な内容を広く浅く触れていくような感じです。心理学未経験だった僕にとってもちょうどいいレベルでした。

そしてその心理学の最後の授業の日に思わぬことが起きました。心理学の先生(女性)がこんなことを言うのです。

「今日の授業はみなさんに催眠術を受けてもらいます。」

そして、舞台の奥からは一人の男性が登場しました。すらっとした体型で紺色のジャケットを着ていました。その男性が催眠術をかけることができるというのです。なんだかテレビで見たキャラの濃い催眠術師と異なり爽やかな印象でした。

最初にその催眠術師は催眠のメカニズムについての説明を始めました。授業ではあるのでまずはしっかりと説明が入ります。その話によると催眠がかかるかどうかの要因は受け手側の脳にあるようです。催眠は別に魔法でもなんでもないので受け手の脳が自ら特殊な状況を作り出すとのこと。しかしその際には催眠術師の権威性が高ければ高いほど受け手の脳は催眠状態に入りやすくなるというのです。だからその方は夏にも関わらずTシャツ一枚ではなくてジャケットを羽織っているとのことでした。

医者の権威性を前面に出す白衣と一緒です。なのでテレビに出ている催眠術師の「いかにも」という格好は催眠術を強化する作用があるのでしょう。受け手側がその人物を催眠術師だと認めて受け入れることが大事なのです。つまり権威性を自分に持たせ話術が巧みであれば僕でも明日から催眠術師になることが可能ということでした。(そう簡単にはいきそうにないですが。)

さて、そんな説明の後、催眠術の実演が始まりました。なんとこの広い講堂にいる200人全員に催眠術をかけるというのです。

(誰かが舞台に上がって1対1でかけるんじゃないのか。。)

その場にいる学生全員に向かって催眠誘導が始まりました。言葉だけで僕達に動きを指示します。腕を肩の高さに上げて指を一本一本握らせてゲンコツを作らせます。そして、

催眠術師「この3カウント数えるとその握りしめた手が開かなくなります。

(いやいや、手はいつでも自分の意志で開くでしょ。)

そしてカウント。

「3、2、1、0!」

パチンと指が弾かれる音。

ん、あれ...手が...

...?!全く動かない...!!

なんと僕の手が自分の意志では全く動かなくなってしまったのです...!

OH MY HAND!!


・・・長くなりそうなので次回に続きます(笑)



To Be Continued...(毎週金曜日連載)